財務諸表と聞くと、いつかは勉強しないといけないなーと感じてしまうサラリーマンが多いと思います。(私も簿記の資格を取得しようと一時勉強しましたが、断念しました。。。)
しかし、いつかではなく、”今やるべき”なのが財務諸表についての勉強です。ただし、財務諸表を作る側ではなく、見る・読むことができる側の人間になることが大切です。
本書でおすすめされている会計の勉強法は以下のとおりです。
- 本物の財務諸表をできるだけたくさん読む
- ビジュアルで大括りに捉え、数字はどんぶり勘定
- BSとPLが先決、CFSは後回し
- わからない専門用語はとりあえず無視
- 現場・現物・現実の情報とリンク
紹介されている業種や主な企業
・エレクトロニクス、IT業界
シャープや東芝、KDDIやdocomoなどが紹介されています。
・自動車業界
トヨタ、フォルクスワーゲン
・小売業界
セブンーイレブンとローソンの比較、ユニクロはなぜ儲かるのか?
・製薬業界
武田製薬など
・住宅、インフラ業界
金融業やLIXIL、電力会社など

私が注目した業界
最近の世界的な脱炭素の流れを鑑みると、その上流である、電力業界が少し気になっています。
本書でも東電・関電・中電はもちろん、電力システムの変遷や電力改革について結構詳しめに紹介されていました。
世界一高いインフラコスト
福島の原子力発電所での事故以降、ほとんどの原子力は再稼働できておらず、電気料金が上がっています。事故以前から日本のインフラコストは世界一高いと言われており、実際に先進国の中では世界サイク水準です。
実際に著者は東京・著者の家族はカリフォルニアに住んでおり、比較したところ、
電気代金で2倍近く、ガス代ではそれ以上かけ離れているそうです。
しかも、著者は東京で二人暮らし、著者の家族はカリフォルニアで四人家族のため圧倒的な差があることがわかります。

電力業界の最大の資産
電力業界はその事業の特性上、発電所などのかなり莫大な投資が必要となります。私的にはこの火力発電所や原子力発電所などの大規模発電所が大きな資産だと思っていましたが、実際には「送変電設備」が最大の資産であることが言われています。
この理由は、いろいろあると思いますが、発電所が遠隔地にあるためです。
東京電力は福島、関西電力は福井、中部電力は静岡とそれぞれの本店のある東京・大阪・名古屋から遠く離れた位置に発電所があります。そのため、「送変電設備」が長距離化するためロスが発生しています。
このように電力業界について結構切り込んだ目線で書かれておりとても面白かったです。
いろいろな業界の話があり、実際に財務諸表を紹介した上で説明してくれているので、興味のある業界・自分の勤務先などの項目を読むことで財務諸表についての理解が深まるかもしれません。

コメント