脱炭素ビジネスについて理解を深める おすすめ本紹介!

書評

今回紹介する本は「グリーン・ジャイアント〜脱炭素ビジネスが世界経済を動かす〜」という本です。
これまで環境問題について真剣に考えたことはありませんでしたが、本書を読んで、自分ごとのように考える必要を一気に感じました。詳細は本書に譲りますが、読書をする時間がない方に向けて、10分程度で流し読みで理解できるようまとめますので、どうぞ適当にゆるーくお読みください♪
カーボンニュートラルについて詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください!



エネルギーの転換点 一気に加速する脱炭素

20世紀を支えた化石燃料型のビジネスが、気候対策型のビジネスに一気にシフトしています。
かつて米国の石油の9割を握った20世紀を最も象徴する企業であるスタンダードオイルを前身に持つエクソンの株価がアメリカ人ですらあまり名前の聞かないフロリダ州拠点の企業であるネクステラ・エナジー(NextEra Energy)に時価総額で抜かれました。

エクソンといえば、つい10年前まで世界の企業のトップを誇っていた企業です。

このネクステラ・エナジーは再生可能エネルギーに特化した企業で、これはつまり、
世界が脱炭素に向けて急速に動き出している証拠と言えるでしょう。

グリーン・ジャイアント(再エネの巨人)

  • イタリア エネル(Enel)
  • スペイン イベルドローラ(Iberdrola)
  • デンマーク オーステッド(Oestead)

のように、再エネに特化した企業の時価総額がこれまで世界のトップ企業であった石油企業のそれを
超えるようになってきています。

このような逆転劇はエネルギー業界のみならず、今後さまざまな業界で起こっていくこととなるでしょう。
このグリーン・ジャイアントの台頭をはじめ、「脱炭素の最前線」を詳しく解説してくれているため、とてもおすすめの本です。
特に私もエネルギー業界で勤務している身のため、自分ごととして考える必要性を感じましたし、今後の地球のことを真剣に考えるのであれば、誰もが認識しておかなければいけない最低限の知識に感じました。

日本の企業であるJERAはグリーン・ジャイアントになれるのか!?

JERAホームページ
JERAのホームページ。株式会社JERAは、東京電力FPおよび中部電力の燃料上流・調達から発電までのサプライチェーン全体に係る事業を担う合弁会社です。

知らない間に日本が世界から置いていかれないようにする

最近の携帯電話からスマートフォンへの移行、インターネット環境の普及、クラウドサービスなど日本の企業が世界に対して存在感を示せていないことを本書では危惧しています。

このままではまた「欧米の作り上げたルール」に縛られながらビジネスをする必要があり、「未来を作る側」の企業や人が日本から生まれてこない可能性もあリます。

しっかり世界の潮流を理解するために、「脱炭素」について大まかな情勢を知っておくことがビジネスマンにとって必要と感じます。

トランプ大統領からバイデン大統領へ

2020年のアメリカ大統領選挙は日本でもたくさん報道されていました。私がある程度大人になったからなのか、オバマ大統領の誕生時よりも報道が過熱していた気がしています。

本書を読むことで、脱炭素ビジネスの理解のみでなく、菅前首相が「2050カーボンニュートラル」を宣言した理由、アメリカ大統領選挙の過熱報道の理由など、さまざまなニュースが点と点でつながっていったと感じています。

今や「世界の平均温度を産業革命前と比較し1.5℃以下」を全リーダー層がターゲットに定めています。この目標に向けて政治・ビジネス・テクノロジー・お金など世界が動き出しています。

ダイベストメント(直訳:投資撤退)

最近よく言葉のひとつにダイベストメントという言葉があります。
近年の投資家たちが石炭火力をはじめ大量のCO2を排出する事業に明らかにNOを突きつけています。

このムーブメントをダイベストメントと言います。
実際に日本でも三大メガバンク(三井住友、三菱UFJ、みずほ銀行)が2020年に新規の石炭火力事業からの撤退を表明しており、世界ではさらに多くの銀行や保険会社が石炭火力への投資に制限をかけています。

カーボンニュートラルからカーボンネガティブへ

これまた最近よく聞く言葉として”カーボンニュートラル”という言葉があります。これはCO2排出量を実質的ゼロにすることで、排出と除去で相殺するという考え方です。
しかし、2020年1月にマイクロソフト社が”2030年のカーボンネガティブ”を宣言しました。

このカーボンネガティブはあまり聞きなれない言葉ですが、CO2の除去量が排出量を上回ることであり、マイクロソフト社はCO2除去技術に対してかなりの額を投資しています。

この動きをいち早く察知できる人が株式投資などで儲けることのできる一流のトレーダーなのか…?と感じながら読んでいました!

テスラとトヨタとアップルと

2021年1月は自動車業界で世界1位の時価総額を誇っていた我らがトヨタ自動車があのイーロン・マスク率いるテスラに時価総額で抜かれた日です。(テスラの時価総額:約92兆円)

今や世界の自動車メーカーの全てを束にしても敵わないレベルに到達したテスラは一人勝ちと言えます。

これも脱炭素を目指すべく、ガソリン車からEV(電気自動車)への切り替えが進んでいることの裏返しと言えます。実際に欧州ではガソリン車撤廃の動きがすごい勢いで進んでいます。

さらにはアップルカーの可能性(詳細はこちらを参照)など2030年・2050年に向けたEV化の流れは確実に止まらないと思われ、自動車業界が大きく変わっていく可能性があるため、今後、注視する必要があると言えます。

ただし、1997年に「トヨタ・ハイブリッド・システム(THS)」を完成させ、その年末には「初代プリウス」を発表したトヨタ自動車が黙っているとは思えません。当時のキャッチコピーが表している、「21世紀に間に合いました」というイメージ通り、開発からわずか2年で発表までこぎつけている脅威のスピード感には期待しかありません!

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