伝える力は才能ではなく、技術である。
少しの工夫で上手くいくのなら、実践しないのはもったいない。
冒頭でそのように書かれている本では、多くの日本人が抱えるプレゼンテーションに関する悩みを解決してくれるかもしれません。私も本書を読んでとても参考になったので、皆さんに共有させてください。

エバンジェリストとはいったいなになのか!?
エバンジェリストとは、
「プレゼンテーションやデモンストレーションで魅力や価値、思いを伝える仕事」です。
伝える力はビジネススキルのひとつですが、それを仕事・職業としている人の肩書きです。
エバンジェリスト(evangelist)とは、元々「キリスト教の伝道者」という意味で使われていた。
そんな中で、1980年代ごろの欧米のIT企業を中心に拡がり、2000年代に入ってようやく日本にも伝わってきた。(私は2021年まで知りませんでしたが、、、笑)
人生はプレゼンテーションの連続
自分の思いを誰かに伝えることは、ビジネスだけではなく、生まれた瞬間から始まっている。
実は、伝える能力がいちばん高いのは赤ちゃんで、「ミルクが欲しい」「オムツを変えてほしい」
と言った要求を伝え、それが満たされたら満面の笑みで答える。
他にも他人に意見を伝えたり、思い通りに行動してほしい場合などは、プレゼンテーションが必要となる。
プレゼンテーションとは、ビジネスの機会のみではなく、日常生活に必要なスキルなのだ。
エバンジェリストの教科書 p.15
エバンジェリストにとって必要なスキル
- 専門知識
→インプット:専門知識を学び、トレンドをまとめてその分野のことは誰よりも知っている状態に
なること - 準備・資料作り
→咀嚼:インプットした情報を自分なりにまとめ、どういうプレゼンをしたら相手に伝わるのかを
考え、シナリオや資料作りをすること - 伝える技術(話し方・見せ方)
→アウトプット:魅力的な話し方や見せ方を工夫して相手に伝えること
この中で日本人が圧倒的に不足しているスキルは伝える技術(アウトプット)です。
理由は日本の教育システムにあると本書では述べられています。
考えてみれば、日本の教育システムはインプットが多い。
(中間テストや期末テストは生徒がインプットできているかを先生が確認するためにあるようなもの)
欧米諸国はアウトプットの過程を重視している傾向があるため、日本人よりもコミュケーション能力やプレゼンテーションスキルが高い人が多い印象にある。
⇒アウトプットの練習さえすれば、コミュニケーション能力とプレゼンテーションスキルは向上する。
アウトプットに必要な準備・資料作り
専門知識をインプットしたら、準備・資料作り→アウトプットへ移行します。
ここでは準備・資料作りについて解説します。
・良いプレゼンに必要な3つの準備
シナリオ作り
機材の準備
資料作り
①シナリオ作り
日本人の多くは起承転結でストーリーを作るように指導されてきた人が多数だと思いますが、起承転結にこだわる必要はなく、いかに相手を動かすかに注力すべしと本書では述べられています。
人を動かすにはサクセスストーリーを引き立たせるホラーストーリーが大切
例えば、ライザップのCMのようにタレントたちが太ってしょんぼり顔(ホラーストーリー)から素晴らしい体型と爽やかな笑顔(サクセスストーリー)になるCMを思い出してください。
あのCMが素晴らしい体型と爽やかな笑顔だけ映し出されるCMだった場合は、ここまでライザップは浸透しなかったかもしれません。
テレビショッピングでも同じようなことが言えます。掃除機の商品紹介の場合、かなり古い型式の重たい・汚い掃除機で掃除をしている動画を流し、コードが絡まったり、2階に持ち上げるのが大変なイメージを植え付けます。その後に軽くてコードレスの新型掃除機を紹介することで、消費者の購買意欲をUPさせます。さらに”今から30分限定”、”本日限り”、”30台限定”と言った希少性をアピールすることも今すぐ買わないといけない気持ち(行動を起こさせる気持ち)にさせる魔法の言葉となっている。
②機材の準備
プレゼンをする際に必要な機材は以下のものと思います。
- PowerPointなどで作った資料
- パソコン
- マウス
- プロジェクター
- スクリーン
- マイク
これらは会場で準備してくれたり、持っていたりすると思いますが、本書で紹介されていたおすすめの武器がこちらです。
視点誘導したい部分にリモコンを向けるとスポットライトが当たったかのように他の部分を暗くすることができます。普通のリモコンとしても使えるし、時間が来たらこっそり振動で教えてくれるといった機能もあるため、1万円の価値は十分あると思います。講演会でこれを使っているのをみてすごい!!!と素直に思いました。理由としては、やはり視線誘導です。そこを見ながら話を聞くのと、見ずに話を聞くのとでは大きく理解が異なることを痛感しました。
(西脇さんの別の本でも目線の重要性について詳しく書いた本があるため紹介します。)
③資料作り
記事はだらだら書かないことを鉄則にする。例えば、Yahoo!ニュースのタイトルは13文字以内と決まっています。つまりYahoo!ニュースに取り上げてもらいたいなら13文字でインパクトのある記事を作成する必要があるのです。資料作りではないですが、Yahoo!ニュースの13文字については話し方にも応用できるそうです。これについては私の大好きな中田敦彦さんがYoutube大学で取り上げていましたのでそちらをご覧ください♪

余白を大事に、デザインは統一、色は3色+地色といった基本的なことも説明されていたが、本ブログでは単位は2割小さくするといったテクニックを紹介したいと思います!

数字には説得力があるため、数字を目立たせるためにあえて単位を2割小さくするテクニックがあります。これを使うと本当に資料が締まる感じがします!おすすめのテクニックで簡単にできるのでぜひ皆さんもマネしてみてください!!!
しゃべりは誰でもうまくなる
私は少人数で会話をすることに苦手意識はないのですが、大人数や会議の場面で改まって話すのはとても苦手です。これは多くの日本人に共通する悩みだと思っています。
西脇さんのようにマイクロソフトはエバンジェリストとして働いている人は生まれつき話すのが得意だったと思われがち(実際そうみたいですが、、、笑)ですが、努力をすることでしゃべりは誰でもうまくなるというテーマが本書の中にあり、本当にうれしく思いました。
個人的に共感できた点をピックアップしていきます。
『ファクト』と『オピニオン』を組み合わせる
4億円を超える被害(ファクト)でこれはとても重大なことと言えます。(オピニオン)
このように『ファクト』と『オピニオン』を組み合わせることで伝えたいことが明確になります。
この話法を上手に使う方が池上彰さんと本書では紹介されていました。次回の”池上彰のニュースそうだったのか”を見るときにはより注目して池上彰さんの話し方に注目したいと思います。
『絶対時間』と『相対時間』を意識する
新幹線や飛行機などもこの『相対時間』を意識しています。
昔は「8時45分に名古屋駅に到着します」と言った『絶対時間』でアナウンスされていましたが、今では、「あと10分で名古屋駅に到着します」という『相対時間』でアナウンスされます。
これにより乗客が時計を見て準備をするのではなく、時計を見ずに降車準備をするように変わったと言われています。(伝えることによって相手が行動するようになる典型的なパターン)
『絶対時間』:2021年10月26日や平成7年、11時半などの正確な日付や時間のこと
『相対時間』:今から30分後、11年前など今を起点にしてどれくらい時間が経過したのか
(または、経過するのか)を示した時間のこと
そのほかにもたくさん書かれていましたが、講演会を受けた後に本書を読んだためとても頭に残っています!セミナーを受けることって少し胡散臭いと感じている自分が正直いましたが、スキルアップするためにお金を払って講義を受けることはすごく人生のためになると痛感しました。
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